ホームセンターでハエトリソウとサラセニアを買って三年目になる。


私の目に飛び込んできたのはハエトリソウで、サラセニアは家族が選んだ。


二つとも小さな鉢に入れられているのが可哀そうで、大きな素焼きの鉢を購入。


床になる砂も買い、栄養剤も入れて


陽当たりバッチリの一階窓際に置き、毎日眺めていた。


三日くらい経った頃、気のせいかハエトリソウがおかしい。


これは何か育て方に問題があると思い、


PCを開いてハエトリソウの育て方を検索してみた。


私はとんでもない間違いを三つも犯していた。


その(一)ハエトリソウに栄養剤は全く必要ない。


栄養剤を入れたせいで死にかけたということだ。


その(二)鉢床は砂ではなく、ミズゴケのみ。


それも百均で売っているような安物ではなく、生ミズゴケを使う。





乾燥ミズゴケの場合は、よく水に浸し





全体が柔らかく緑色になったらハエトリソウの根っこを


優しく包むように巻きつけで素焼き鉢に入れる。


その(三)鉢を置く受け皿に、常に水を張った状態にする。


鉢底から2pくらいまで水を入れておく(腰水)。


サラセニアも同じやり方。


元気になってほしくて入れた栄養剤が、殺草剤になるところだった。


ハエトリソウやサラセニアはもともと栄養少ない沼地や砂の上で育っている。


気温も日中は30℃以上、夜1〜2℃でも耐える強い植物なのだ。


だから北国の我が家でも十分育ち、受け皿に新鮮な水さえ張っておけば


あとは日中十分陽をあててやる(30℃以上にならないように)だけでよい。


三年目の冬が終わった頃、ハエトリソウから花の蕾を付けた


細長い茎が伸びているのに気がついた。


前に調べたとき、いずれ可愛い花が咲くと書いてあったことを思い出し、


我が家のハエにもやっと花が咲くとばかりに喜び、


花が開いたときには写真を撮った。


それは小さく、可憐な白い花だった。


いくら小さくても重いのか、長く伸びた細い茎が横たわる。


嫌な予感がして、また調べてみると。


「花は種を取る為にだけ咲かせ、種を取らず元株だけを育てるのならば


花の蕾が出た時に取り去るべし。」だと。


慌てて花を茎ごとチョン切り、花は花瓶に移動させた。


それから七か月経った今、季節は冬に向かいつつある。


四つあったハエトリソウの株は、今じゃ二つだけ辛うじて緑色を保っており、


あきらかに花を咲かせたことで栄養を失い、瀕死の状態だ。


茶色くなってしまった株は死んだのではなく、


冬眠しているのだと書いてあったが、


部屋の気温はまだ15℃くらいで、冬眠には早い。


ちなみに我が家の一階は木彫り作品と野菜などの保存の為


暖房を付けないから、冬は2〜5℃の気温になる。


ハエトリソウもサラセニアも夏は陽当たり良く暖かく、


冬はガツンと寒い(凍らないように)のがいいそうだ。


花が咲かないサラセニアは元気で冬を越すだろう。


ハエトリソウに未来はあるのだろうか、何でもっとよく


調べておかなかったのかと今さら自分を責めても、


やっちゃったことはしょうがない。


枯れてしまったら、また買って、今度は失敗しないように・・・


そうするしかないな。



TOPに戻る